「タマネギ男」韓国元法相に1審実刑 子供の入学不正問題

3日、判決公判のためソウル中央地裁に入るチョ・グク元法相(共同)
3日、判決公判のためソウル中央地裁に入るチョ・グク元法相(共同)

【ソウル=時吉達也】娘と息子の大学入学の不正に関わったなどとして、偽造私文書行使などの罪に問われた韓国のチョ・グク元法相の判決公判が3日、ソウル中央地裁で開かれた。判決は「数年間犯行を繰り返し、入試制度の公正性に対する信頼を著しく傷つけた」として、懲役2年の実刑(求刑懲役5年、罰金1200万ウォン=約126万円)を言い渡した。

チョ被告は判決後、判決内容を不服として控訴する意向を示した。

判決によると、チョ被告は大学教授だった妻=私文書偽造罪などで実刑確定=と共謀し、子供の大学入試で有利に働くよう、偽造した高校時代の活動経歴証明を提出するなどした。大統領府高官時代に、不正が疑われた元政府機関幹部に対する特別監察をもみ消した職権乱用罪でも一部有罪が認定された。

一方、違法に株式を取得した公職者倫理法違反など一部は無罪となった。

文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の側近で「ポスト文在寅」の有力候補でもあったチョ被告は2019年、政治的影響力の大きい韓国検察の権力を縮小する改革を訴え法相に就任。当時検事総長だった尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と激しく対立したが、家族をめぐる疑惑の発覚に伴い、約1カ月で辞任に追い込まれた。当時は、タマネギの皮をむくように際限なくスキャンダルが続出するとして、一部メディアなどで「タマネギ男」とも呼ばれた。

不正入学疑惑は若者を中心に文政権支持者の離脱を招いたほか、尹氏は捜査方針をめぐる文政権との対立で知名度を高め、次期大統領候補として急浮上。22年の政権交代にも影響を与えた。

会員限定記事会員サービス詳細