【北京=三塚聖平】中国国営メディアなどによると、中国とロシアの海軍は21日、定例の合同軍事演習「海上連合2022」を中国東部浙江省沖の海域で開始した。露国防省によると、27日までの日程。東シナ海での演習を通じ、台湾情勢やウクライナ戦争を巡り対立する米国や日本を威圧する思惑とみられる。
中国国営新華社通信は演習の目的について「海上安全保障の脅威への共同対応を強化する」と指摘。露国防省は「両国海軍の連携を強化し、アジア太平洋地域の平穏と安定を維持する」と主張した。
露国防省によると、空中や海上の標的に対する射撃訓練や潜水艦に対する攻撃訓練を実施。ロシアからは露太平洋艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「ワリヤーグ」など計4隻、中国からは駆逐艦や潜水艦など計6隻が参加。
ウクライナ侵略を巡り、中露の姿勢には微妙な隔たりも指摘されているが、双方は米国への対抗のために今後も軍事協力の拡大を進める方針とみられる。中国は9月に露軍が極東で実施した大規模軍事演習に2千人規模の陸上部隊を派遣もしている。5月と11月には中露の戦略爆撃機などが日本海や東シナ海の上空を合同飛行した。