立憲民主党の野田佳彦元首相は25日午後の衆院本会議で、今年7月に奈良市で銃撃され死去した安倍晋三元首相に対する追悼演説を行った。与野党の国対委員長が国会内で会談し、合意した。衆院議院運営委員会理事会で正式決定した。
野田氏は安倍氏の人柄を「『闘う政治家』だったが、国会を離れ、ひとたびかぶとを脱ぐと、心優しい気遣いの人でもあった」と回顧。銃撃事件を非難し「言論の力を頼りに、不完全かもしれない民主主義を、少しでもより良きものへと鍛え続けていくしかない」と訴えた。
安倍氏への追悼演説は当初、8月の臨時国会で安倍氏に近い自民の甘利明前幹事長が担う方向だったが、与野党から異論が出て先送りしていた。
野田氏は2012年の首相在任時、当時野党で自民総裁だった安倍氏と党首討論で対決し、衆院解散を表明した。その後の衆院選で自民が勝利し、安倍氏が首相に返り咲いた。