沈み込むプレート内部の地震 東日本大震災以降高い頻度

地震の影響でJR福島駅前の床のタイルがめくりあがっていた=17日午前、福島市(納冨康撮影)
地震の影響でJR福島駅前の床のタイルがめくりあがっていた=17日午前、福島市(納冨康撮影)

16日深夜に福島県沖で発生したマグニチュード(M)7・4の地震は、沈み込む太平洋プレート(岩板)内部で断層が破壊されて起きた。政府の地震調査委員会は、11年前の東日本大震災以降、震源域周辺で同タイプの地震が高頻度で発生しているとして、高い危険性を指摘していた。

東北地方の太平洋沖にある日本海溝では、太平洋プレートが、日本列島の位置する陸側プレートの下に沈み込んでいる。東日本大震災の地震(東北地方太平洋沖地震)は、このプレート境界で、沈み込みに伴ってたまったひずみが解放され、太平洋プレートが跳ね上がって起きた。

今回の地震は、震源の深さ57キロと、プレート境界部よりも深い場所で起きた「スラブ内地震」と呼ばれるタイプだ。発生の2分前には近くでM6・1の地震が起き、最大震度5弱を記録。揺れの被害を拡大したとみられる。

気象庁によると、福島県沖では昨年2月13日にも同タイプのM7・3の地震が発生しており、最大震度6強を記録した。政府の地震調査委員会によると、日本海溝沿いでは、沈み込んだプレート内の地震は東日本大震災の地震以後、高い頻度で発生し、人的被害も起きている。同タイプは過去に最大M7級までの規模が確認されている。

将来の大地震についての長期評価では、青森県東方沖及び岩手県沖北部から茨城県沖の範囲で、深さ100キロよりも浅い場所で起きる同様の地震の発生リスクを最も高いランクと位置付けている。

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