韓国大統領選

野党候補が一本化発表、政権交代に追い風

候補一本化の記者会見で握手する保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦候補(左)と中道野党「国民の党」の安哲秀候補=3日、ソウル(聯合=共同)
候補一本化の記者会見で握手する保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦候補(左)と中道野党「国民の党」の安哲秀候補=3日、ソウル(聯合=共同)

【ソウル=時吉達也】9日投開票の韓国大統領選で、保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長と中道系野党「国民の党」候補の安哲秀(アン・チョルス)党代表が3日、共同会見を開き、候補を一本化し安氏が選挙戦から撤退すると発表した。「政権交代」を訴え、与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道(キョンギド)知事と未曽有の接戦を繰り広げてきた尹氏に追い風となりそうだ。

安氏は会見で「政権交代を望む国民の思いを受け、(尹氏と)力を合わせることにした」と説明。尹氏は「安哲秀候補の意を受け、必ず勝利する」と応じた。

保守系有権者を中心に野党候補の一本化を望む声は当初から大きかったが、統一候補を決める方式をめぐり交渉は難航した。先月末には、尹氏が協議の経過を詳細に公表した上で「(安氏側から)決裂通知を最終的に受けた」と説明。交渉決裂の責任を押し付けあう発言も続き、一本化は困難との見方が広がっていた。

直近の多くの世論調査では、数%の僅差で尹氏が李氏をリード。安氏との連携が劇的に実現したことで、尹氏が最終盤の選挙戦を優位に進める可能性がある。一方、すでに安氏の名前を記載した投票用紙が印刷済みで「一本化の効果は限定的」との指摘も出ている。

与党陣営は選挙目当ての「野合」と批判、「尋常でない決意」で結集するよう支持者に訴えた。李氏は「国民を信じる。ひるまずに進む」などと述べた。

4、5日には、9日の投票が困難な有権者対象の事前投票が実施される。

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