国民民主が本予算案に異例の賛成 野党に戸惑いの声

衆院予算委で質問に臨む国民民主党の玉木雄一郎代表=21日午後、国会・衆院第1委員室(矢島康弘撮影)
衆院予算委で質問に臨む国民民主党の玉木雄一郎代表=21日午後、国会・衆院第1委員室(矢島康弘撮影)

国民民主党が21日の衆院予算委員会で令和4年度予算案に賛成したのは、岸田文雄首相からガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に一定の言質を取ったと判断したからだ。政策実行力をアピールしたと自負するが、野党が来年度予算案に賛成するのは異例で、与野党に波紋を広げている。

国民民主の玉木雄一郎代表は記者団に「旧来の与野党の対立をこえ、国民のために必要なガソリン値下げを勝ち取るために賛成した」と説明した。

野党が政府の予算案に賛成するのは「政権全体をよしとするに等しい」(立憲民主党の大串博志予算委筆頭理事)行為とも映り、主要野党は一斉に反発した。

立民の泉健太代表は「野党とはいえない選択だ。非常に残念な判断だ」と批判した。共産党の小池晃書記局長も「事実上の与党入り、与党宣言だ」と突き放した。

国民民主内にも反対論はあったが、21日の両院議員総会などで賛成を決めた。夏の参院選に向け「与党の補完勢力」と批判される可能性もあるが、玉木氏は「ガソリン値下げが実現したことを大きな旗として活動する」と意に介さない。

党内には「(同じ第三極の)日本維新の会が現政権に批判的な今こそチャンスだ」(幹部)として、独自色を発揮する好機ととらえる向きもある。(大橋拓史)

会員限定記事会員サービス詳細