総裁選 岸田氏が安倍、麻生氏に支援要請 下村氏は立候補断念

記者団の取材に応じる岸田文雄前政調会長=30日午後、国会内(春名中撮影)
記者団の取材に応じる岸田文雄前政調会長=30日午後、国会内(春名中撮影)

自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)への出馬を表明している岸田文雄前政調会長は8月30日、国会内で安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相と相次ぎ会談し、支援を要請した。安倍氏は党内最大派閥の細田派(清和政策研究会、96人)に影響力を持ち、麻生氏は第2派閥の麻生派(志公会、53人)を率いる。安倍、麻生両氏は岸田氏にエールを送ったというが、いずれも菅義偉(すが・よしひで)首相(党総裁)の再選を支持するとみられている。

首相は二階俊博幹事長と官邸で会談。再選を支持する二階氏が「粛々と進めている」と報告すると、首相は「よろしくお願いします」と応じた。首相は「新型コロナウイルス対策と並行して経済対策をしっかりやりたい」と述べ、対策の検討を指示した。また、政府・与党は野党が求めた総裁選前の臨時国会召集を見送る方針を固めた。

臨時国会を開催するかを見極めた上で総裁選の対応を判断するとしていた石破茂元幹事長は30日、国会内で記者団に「白紙だ」と述べるにとどめ、出馬の有無に関しては明言を避けた。臨時国会の開催を見送る政府・与党の方針への石破氏の対応が焦点となる。

立候補に意欲を示していた下村博文政調会長は30日、出馬断念を表明した。これに先立ち下村氏は首相と官邸で会談。下村氏によると、首相は追加経済対策の検討を指示し、下村氏が出馬する場合は政調会長を辞任する必要があるとの認識を示したという。

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