オーストリア総選挙 クルツ前首相の国民党が勝利

 【パリ=三井美奈】オーストリア国民議会(下院、定数183)選が9月29日に行われ、暫定開票の結果、クルツ前首相(33)の中道右派、国民党が38%を得票して首位に立った。クルツ氏の首相返り咲きが濃厚になった。

 国民党は2017年の前回選挙の得票率(32%)を大きく上回り、クルツ氏は「国民はわれわれを再び支持した」と勝利宣言した。

 移民受け入れに批判的な前与党、極右「自由党」の得票率は17%で、前回選挙(26%)を大きく割り込んだ。中道左派の野党「社会民主党」は第2位で22%。緑の党は12%を得票し、前回(4%)から大幅に伸ばした。国民党は単独で過半数の議席を獲得できず、クルツ氏がどの政党と連立を組むかが焦点になる。

 今回の選挙は、今年5月にクルツ内閣への不信任案が成立したのを受けて行われた。国民党が、汚職疑惑が浮上した自由党との連立を解消。これを受け、自由党は社会民主党が提出した不信任案の支持に回った。クルツ政権崩壊後、元裁判官のビアライン暫定首相が政権運営を担ってきた。

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