若者は「親しみ」、年配は「嫌い」…韓国への世代間ギャップ

 日韓関係が過去最悪とも言われる中、日本人の韓国に対する「世代間ギャップ」が広がっている。60代以上の年配者は政治情勢を踏まえて韓国を嫌いだと感じる「嫌韓」意識を持つ人が多い一方、10~20代の若者は比較的好意的で、韓国のファッションや化粧が流行し、韓国への旅行者も増えている。なぜこうした差が生じているのか。(大渡美咲)

 「子供の頃から母親と韓国ドラマを見ていて、韓国のアイドルもたくさんテレビに出ていた」

 東京都新宿区にある専門学校に通う女性(19)が幼い頃からあこがれていたのは、日本のアイドルではなく韓国のアイドルだった。韓国ではやったファッションやメークも身近な存在だった。

 興味が募り、高校卒業後には1年間、韓国に留学。現地で交流した韓国の若者には日本のアニメや俳優が好きな人も多く、知っている日本語で話しかけてくれる人も多かった。「日本より人と人との距離が近く、温かいと感じた。日本人だからといって嫌がらせを受けたことはなかった」

 将来は覚えた韓国語を生かすため、韓国の航空会社で働くのが目標という。

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 内閣府が毎年行っている「外交に関する世論調査」によると、平成21年の調査では、韓国に対して「親しみを感じる」と答えた人は63・1%だったが、24年8月に李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が竹島に上陸した後の26年の調査では31%と急落。その後は徐々に回復したが、昨年の調査でも39・4%にとどまる。

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