世界初、ホオズキのワイン 三重・紀北町の「デアルケ」が通販開始

 紀北町の農産物生産加工会社「デアルケ」が、世界で初めてというホオズキのワインを開発し、インターネット通販を始めた。県はホオズキの栽培やワイン醸造に協力するといい、同社の岩本修社長(33)は「農家のみなさんにもホオズキ栽培を呼びかけ、もうかる産業にしたい」と意気込んでいる。

 商品名は「フルーツホオズキワイン フィサリスゴールド」。フィサリスはホオズキの意味で、色は「お祝い事にぴったり」というゴールドに仕上がっている。1本720ミリリットル入り8980円。

 岩本社長は愛知県大府市出身。「田舎暮らしがしたい」と両親が紀北町に移住したことをきっかけに、岩本さんも大学卒業後、米国での語学留学を経て平成21年に移住してきた。母親が設立した経理代行業の同社を引き継ぎ、農業と食品加工業に転換。「今のままでは紀北町の多くの農地は担い手不足で荒れ地になってしまう」との危機感から、独自性のある商品開発を進めてきた。

 主力商品のトマトと「200%デアルケトマトジュース」は、平成28年の伊勢志摩サミットでも各国首脳らに提供された。同年にはイチゴのように甘い食用のフルーツホオズキの生産も始め、サントリーの協力を得て2年前からワインを試作。完成にこぎつけ、今年から本格販売することになった。

 岩本社長は本格販売を前に鈴木英敬知事にフルーツホオズキとワインを提供。鈴木知事は「イチゴのように甘く、香りもいい」と絶賛し、生産に県として協力していくことを約束した。

 今回は600本しか生産できなかったが、将来的には2000本を生産する計画で、フルーツホオズキも年600キロ生産し販売していきたいという。

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