渋谷暴動事件の大坂被告匿った罪、2審も男に有罪

 昭和46年の渋谷暴動事件をめぐり、指名手配されていた過激派「中核派」活動家の大坂正明被告(68)=殺人罪などで起訴=を匿ったとして、犯人蔵匿罪に問われた同派の非公然活動家、鈴木哲也被告(54)に対する控訴審判決公判が25日、大阪高裁で開かれた。増田耕児裁判長は有罪と認定した上で、「匿っていた男を大坂被告と認識していたとまではいえない」として、懲役1年8月とした1審大阪地裁判決を破棄、改めて懲役1年2月を言い渡した。

 1審判決は、部屋から大坂被告の記載がある機関紙が見つかったことから、大坂被告と分かっていたと認定していた。しかし、増田裁判長は「機関紙があったから知っていたとはいえない。また、氏名や犯罪の内容について詳細を知らなくても、匿うことは想定できる」と指摘した。

 ただ、匿った人物が中核派に関係する人物で「事件を起こして捜査機関に追われている」程度の認識はあったと推認し、同罪の成立を認めた。

 2審判決によると、鈴木被告は平成29年2月26日~5月18日、広島市安佐南区のマンション一室で逃走中の大坂被告をかくまった。

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