慰安婦をめぐる損賠訴訟

元朝日新聞記者、植村隆氏の記者会見詳報(2)

 2つの山を経て、今日の山場も大事だが、前回の2月16日の北海道新聞の(ソウル駐在記者を務めた)喜多(義憲)さん証人尋問も重要だった。皆さんに参考に資料をもってきた。喜多さんが金氏に会って「戦前、女子挺身隊の美名のもとに従軍慰安婦として戦地で日本軍将兵たちに陵辱された…(記事からの引用)」とほとんどぼくと表現が同じじゃないですか。実は、喜多さんはそれを2月16日の証言でいわれた。そこに僕は今回の裁判の一番のポイントがあったと思う。

 (証言の)速記録のなかででてきたものを確認、皆さんに配ったメモを引用させていただきます。

 私の記事の3日後に金学順氏さんと単独インタビューした方です。喜多さんは法廷で、私の記事に対する櫻井氏の主張について『言い掛かり』との認識を示しました。そして『証言することにしたのはなぜですか』という尋問に、こう答えました。『植村さんと僕はほとんど同じ時期に同じような記事を書いておりました。それで、片方は捏造したと言われ、私は捏造記者と非難する人たちから見れば不問に付されているような、そんな気持ちで、やっぱりそういう状況を見れば、違うよというのが人間であり、ジャーナリストであるという思いが強くいたしました』

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