スポーツ異聞

平昌の競技施設が早くも閉鎖 五輪後の活用がうまくできて成功といえるが…

平昌五輪でボブスレー、スケルトンが行われた五輪アルペンシア・スライディングセンターは閉幕10日で閉鎖された(早坂洋祐撮影)
平昌五輪でボブスレー、スケルトンが行われた五輪アルペンシア・スライディングセンターは閉幕10日で閉鎖された(早坂洋祐撮影)

 平昌五輪でボブスレー・スケルトン競技が実施された五輪アルペンシア・スライディングセンターが五輪閉幕からわずか10日後の3月7日に閉鎖通知が出されたと韓国メディアが報じた。年間運営費として21億3000万ウォン(約2億1300万円)が予想されているが、政府が予算不足を理由に使用禁止にしたという。五輪後の施設活用計画がうまく運営されてこそ本当に五輪成功と言えるが、同センターは事後計画を立案しきれず、運営主体も決まっていない状況だった。

 中央日報などによると、ボブスレー・スケルトン代表の監督が3月7日、ソウル市内で行われたイベントで、政府予算が不足し、アルペンシア・スライディングセンターが使用できない状況だと明かした。総工費1141億ウォン(約114億円)を掛けて建設された施設を「選手が自由に練習できない」などと嘆いた。来季に向けた練習場を奪われたうえ、大韓体育会は冬季種目選手育成予算の支援を終了しており、同代表候補チームは解散したという。

 韓国では冬季競技の人気が低く、平昌五輪への関心も低かった。しかし、スケルトンでユン・ソンビン(23)が金メダル、男子ボブスレー4人乗りで銀メダルを獲得したことで、平昌五輪が「終わりでなく、始まり」と、今後の競技人口拡大への期待が大きくなっていた。それだけに銀メダリストとなったウォン・ユンジョン(32)は、ようやくソリ競技に対して芽生えた興味が「育つことなく消えるのかと思うと残念でならない」と落胆した。

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