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韓国はいま「大学は出たけれど」状態 「ヘル朝鮮」脱出へ若者は日本を目指す!?

 「大学は出たけれど」。就職できない大卒者の姿を描いた小津安二郎監督(1903〜1963年)による1929年公開の映画だが、これをほうふつさせるのが今の韓国だ。2017年の大卒以上の高学歴者の失業率が高校卒の失業率を上回ったという。文在寅(ムン・ジェイン)政権は雇用の創出を重要な政策課題としているが、就職難は悪化の一途。「ヘル(地獄)朝鮮」と自虐的に語られる韓国の若者の生きづらさは隣国の日本からみても痛ましい。

 「家に一人でいると、ふと『こんな生き方でいいのだろうか』と思う」。中央日報は、昼夜が逆転した生活が1年以上続き、鬱病と診断された26歳の大学生の声を伝えている。

 同紙によると、韓国では20代の鬱病患者が12年の5万2793人から16年は6万4497人と22.2%増えた。60代以上の増加率(20%)より高い。

 症状が悪化し、自ら命を絶つ人も増えているようだ。20代の死因で最も多いのは自殺で、16年の全体の自殺率は低下したが、20代は横ばいだった。

 そもそも韓国の自殺率は03年から経済協力開発機構(OECD)加盟国中ワースト1位で、1日平均36人、年間1万3092人(16年ベース)が命を絶っているという。

 背景には、就職難の影響もある。

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