政論

ノーベル平和賞のICAN事務局長の来日、安倍政権批判目的だった?主要運営団体は「ピースボート」

 核兵器禁止条約には国連加盟国の6割を超える122カ国が賛成したが、米国、中国、ロシアなど核兵器保有国や、日本と同様に北朝鮮の核開発の脅威にさらされている韓国も参加していない。そもそも、核兵器保有国が参加しない枠組みで核兵器禁止や廃絶を唱えても実効性はない。それなのに、自分たちのやり方に賛同しない国は「仲間外れ」扱いということか。

 フィン氏は、日本政府が安倍首相との面会要請を「日程上の理由」(菅義偉官房長官)で断ったことについても「他国の指導者たちとは面会できたこともあり、大変残念」と述べた。

 安倍首相が欧州歴訪から帰国したのは17日夕で、フィン氏が離日した18日は午前から日豪首脳会談の関連行事が控えていた。ICAN側が面会を要請したのは12月下旬だというが、首相の1月の欧州歴訪はすでに報じられており、与党内には「断られる姿を演出するために要請してきたのでは…」(ベテラン議員)との声が漏れる。

 にもかかわらず、ノーベル平和賞のありがたみか、一部のメディアはフィン氏らの言い分を流した。NHKは17日のニュース番組でフィン氏のインタビューを放送し、毎日新聞は16日付朝刊で「安倍首相なぜ会わぬ」との見出しで、被爆者の「逃げ回っている」というコメントを加えた。

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