経済産業省と内閣府で参与を務めていた斎藤ウィリアム浩幸氏(46)がいずれも辞任したことが分かった。サイバーセキュリティーに詳しいとされる斎藤氏だが、関係者から「専門家の間では全く知られていない」として起用を疑問視する指摘があった。華々しい経歴にも詐称疑惑があり、斎藤氏は22日、一部を訂正した。(夕刊フジ)
辞任は経産省が15日付で「自己都合」だった。内閣府は13日付で、斎藤氏から辞職願が提出されたという。
斎藤氏は米国生まれの日系2世とされる。22日、ホームページ上で、これまで公表していた「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒」などの経歴が誤りだと訂正した。米国でIT関連の会社を起業しマイクロソフトに売却したとしていたが、正確には「事業全部の移転」だったと説明した。
世耕弘成経産相は22日、斎藤氏の起用について「知見や人脈に期待した」とし、在任中に省内の重要情報には関わっていないと釈明した。
投資家で作家の山本一郎氏が今月に入ってネット上で「UCLA医学部への在籍や、マイクロソフトによる買収が確認できない」と指摘。マイクロソフトの日本法人で会長を務めた古川享氏はフェイスブックで記事を紹介し、「ホラ吹き男爵と呼ばれていて、私もマイクロソフトも被害にあった、私の知る限り最低のペテン師の真実が今暴かれる」と書き込んだ。
斎藤氏のフェイスブックのプロフィルによると、民主党政権下の2011年に国会に設置された福島第1原発事故の調査委員会で「ITなどのインフラ設備構築で手腕を発揮した」という。国家戦略会議の分科会にも出席していた。自民党政権でも13年12月に内閣府参与に、16年10月に経産省参与に就任。世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席し、16年10月に紺綬褒章を叙勲したという。
日本のセキュリティーは大丈夫か。