伝説の米下院議員がセクハラ疑惑で辞職、「レガシーと名声守る」息子を後継指名

 【ワシントン=加納宏幸】元スタッフから相次いでセクハラ被害を訴えられていた米議会最長老の野党・民主党重鎮、ジョン・コンヤーズ下院議員(88)は5日、議員辞職した。米有力者によるセクハラ疑惑が次々と表面化する中、複数の議員に疑惑が持ち上がっているが、辞職に追い込まれるのはコンヤーズ氏が初めてだ。

 1964年に初当選した黒人のコンヤーズ氏は60年代の公民権運動に関わり、キング牧師が組織して黒人の選挙権行使を求めた65年の「セルマの行進」にも参加した伝説的存在だ。

 しかし、元スタッフによるセクハラの訴えを血税を使って解決したことが分かり、民主党下院指導部からも辞職を求められていた。最近も、コンヤーズ氏に教会で太股を触られたと訴える元スタッフが出た。

 コンヤーズ氏は一連の疑惑を否定しており、5日に発表した声明で辞職は「私のレガシー(政治的遺産)と名声を守るためだ」と主張した。AP通信によると、コンヤーズ氏は地元ラジオ局に「私のレガシーは子供たちを通じて続く」と語り、自らの息子を下院議員の後継候補に指名すると発表した。

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