サウジ政府が王子ら数十人拘束 反皇太子派の一掃に乗り出した可能性

 【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビア政府は5日までに、サウド家の王子11人のほか現職閣僚4人を含む数十人の身柄を拘束した。サウジ資本の衛星テレビ、アルアラビーヤが伝えた。拘束の理由は明らかではないが、サルマン国王は4日、実子のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)をトップとする「反汚職委員会」を設置していた。同皇太子は6月に昇格したばかりで、国王世襲の動きに反発する勢力の一掃に乗り出した可能性がある。

 ロイター通信がサウジ政府当局者の情報として伝えたところでは、拘束されたのは、国家警備相のムトイブ王子やファキーフ経済企画相ら。閣僚経験者も数十人拘束されたという。ムトイブ王子はアブドラ前国王の息子で、一時は国王候補の一人と目されていた。

 また、ツイッターやアップルのほか、大手メディアなどに幅広く投資している「キングダム・ホールディング」を率いるワリード・ビン・タラール王子も拘束されており、ビジネス界にも大きな影響を与えそうだ。

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