料理と酒

鬼灯ご膳 フルーツトマトの赤ワイン煮

秋を感じさせる美しいお膳
秋を感じさせる美しいお膳

ほおずきは夏のものと思っていたら、秋の季語でした。東京浅草の浅草寺で行われるほおずき市が7月に催されるからそう思ってしまったのでしょうか。7月9日、10日にお参りをすると、四万六千日分の功徳が得られる。つまり一生分のご利益が得られる縁日ということです。

秋にオレンジから赤色に熟したほおずきの実を取って、柔らかく揉んだ後、種を取り除いて、口の中で風船のように膨らませて鳴らして遊んだものです。最近では見なくなりましたね。漢字で「鬼灯」と書きます。霊を導く提灯を連想してしまいます。

さてフルーツトマトを湯剥きして、赤ワインで煮付け、ほおずきの実に見立てました。ちょっとお洒落な秋を感じさせる美しいお膳になりました。砂糖の量を増やすと、デザートにもなります。もちろん赤ワインに合いますし、和食の一品として日本酒との相性もいいです。

「鬼灯は実も葉もからも紅葉かな(芭蕉)」。お後がよろしいようで。(速水裕樹)


材料

フルーツトマト…1パック

赤ワイン…200cc

水…150cc

砂糖…大さじ4

レモン…1/2個

ほうずき…4個


作り方

1.フルーツトマトを湯剥きする。頭の所に十字に包丁を入れ、沸騰した湯を入れた鍋に30秒つけてすぐに取り出し冷水に入れる。取り出して皮を剥く

2.鍋に赤ワイン、砂糖を入れて火を付け、3分煮立たせる。そこに(1)のトマトを入れて火を止める。レモンを絞って、搾り汁を入れる

3.(2)の粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて冷やす

4.ほうずきは袋を3分割するように開けて、中の実を取り出す。器にほうずきの袋を置き、真ん中にトマトを乗せてできあがり

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