世界柔道で存在感 「ポスト野獣」の21歳・芳田司とは何者だ!?

 8月末から9月にかけてハンガリーのブダペストで開催された柔道の世界選手権で、日本は初めて開催された男女混合団体戦の初代王者に輝いた。男女3人ずつの合わせて6選手が戦う方式で、先鋒(せんぽう)の57キロ級で存在感を見せたのが、21歳の芳田司(よしだ・つかさ、コマツ)だった。個人戦でも銀メダルを獲得し、3年後の東京五輪の有力候補へ一躍、名乗りを上げた。

 大会最終日の9月3日に実施された男女混合団体、ブラジルとの決勝戦。先鋒で畳に上がった芳田の相手は、2016年リオデジャネイロ五輪金メダルのラファエラ・シルバ(25)だった。延長2分41秒。激戦は寝技の攻防から芳田が横四方固めで仕留めた。五輪金メダリストを破る金星で日本に流れを呼び込んだ。

 勢いづいた日本は、そのまま6戦全勝で頂点へと上り詰めた。

 実は個人戦の決勝戦で左肘を痛め、痛み止めをのんで試合に臨んでいた。しかし、準々決勝、準決勝、決勝と3試合を全勝。初戦の2回戦で先鋒を務めた所属の先輩でもある宇高菜絵(32)も含め、先鋒で一つも落とさなかった。男子の井上康生監督が優勝後の取材で、「芳田、宇高の先鋒が日本チームの大きな流れを作り、全員が活気づくような試合をしてくれたことが勝因の一つ」とたたえたほどだった。

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