カジノを含むIR法が成立 野党徹底抗戦も異例の会期再延長で衆院本会議採決

衆院本会議で、内閣不信任決議案が延会され起立する安倍晋三首相(右)と麻生太郎副総理兼財務相=14日午後、国会(斎藤良雄撮影)
衆院本会議で、内閣不信任決議案が延会され起立する安倍晋三首相(右)と麻生太郎副総理兼財務相=14日午後、国会(斎藤良雄撮影)

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の修正案は15日未明の衆院本会議で、自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。これに先立ち与党は14日までの今国会会期を17日まで3日間再延長することを決め、衆院で議決した。民進党など野党4党は安倍晋三内閣の不信任決議案を衆院に提出したが、反対多数で否決された。終盤国会最大の焦点だったIR法成立を受け、第192臨時国会は事実上閉会した。

 IR法案は13日の参院内閣委員会で、ギャンブル依存症防止策の強化などを盛り込んだ修正案を可決。14日夜の参院本会議で可決され、衆院に戻された。

 臨時国会は2回まで延長できる。もともと会期末は11月30日だったが、今月14日まで延長されていた。再延長は平成19年9月召集の臨時国会以来、9年ぶり。自民党は14日中のIR法成立は困難だと判断し、異例の再延長に踏み切った。

 IR法案に反対の民進、共産、自由、社民の野党4党は内閣不信任決議案などを提出して対抗。民進党は参院で伊達忠一議長の不信任決議案を出したが、否決された。首相問責決議案は与党などの反対により、参院本会議に上程されなかった。

 超党派の議員立法であるIR法はカジノや国際会議場、大型ホテルなどが一体となったIRの整備を政府に求める内容。政府はIR法施行後、1年以内をめどに具体策を定めた実施法案を提出する。

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