国連安保理に北朝鮮制裁案提出、「過去20年間で最も強力」と米大使

 【ニューヨーク=松浦肇】米国は25日、核実験を実施した北朝鮮に対する制裁決議案を国連安全保障理事会(非公開)に提出した。制裁案には北朝鮮に出入りする全ての貨物に対する強制検査などを盛り込んだおり、米国のパワー国連大使は、「過去20年間で最も強力な安保理制裁となる」と強調した。

 パワー国連大使が国連内で記者団に語ったところによると、制裁案の中身は、北朝鮮に出入りする貨物検査の義務化、小火器や通常兵器の北朝鮮への輸出禁止、北朝鮮の銀行に対する金融制裁、核やミサイルなどに利用される可能性がある物資の取り引き禁止が柱になる。北朝鮮に対する航空機燃料の輸出禁止や北朝鮮からの鉱物資源の一部輸入禁止も求めた。

 北朝鮮は1月6日に4回目となる核実験を実施し、2月7日には事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した。対応して、国連安全保障理事会は2月7日に緊急会合を開催し、米中は水面下で制裁案を詰める交渉を進め、ライス大統領補佐官と中国の王毅外相が24日に合意した。

 安保理では過去に4回、北朝鮮に対する制裁決議が採択されてきた。「今回の制裁案はかつてなく厳しい内容で、核の拡散を認めないメッセージとなる」(パワー国連大使)といい、米国は安保理の理事国に対して、決議の早期採択に理解を求めている。

 今回の制裁案に関しては、北朝鮮との関係が深いロシアなどとも最終的な調整が行われている。早ければ、来週にも安保理で公式会合が開かれ、決議が採択される可能性がある。

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