清水建設は1日、井上和幸取締役専務執行役員(59)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。宮本洋一社長(68)は代表権のある会長に就き、財界活動に軸足を移す。好調な業績を背景に平成19年6月以来、約9年ぶりの社長交代で若返りを図る。
同社は28年3月期の連結最終利益が前期比62%増の540億円となり、バブル期以来25年ぶりに最高益を更新する見通しだ。26年度から30年度までの中期経営計画で掲げた業績目標が、前倒しで今年度達成の見込みとなったことから、世代交代を決めた。
足元では首都圏の高層ビルやリニア中央新幹線などの大型プロジェクトがめじろ押しだが、中長期的には技能労働者の不足や人口減に伴う建設投資の縮小に備えることが課題だ。
営業に強い井上氏の起用で、経営環境の変化に対応する。
【プロフィル】いのうえ・かずゆき
早大院修了。昭和56年清水建設。常務執行役員などを経て平成27年6月から取締役専務執行役員。東京都出身。