「花子とアン」生家セット韮崎に移築 来月18日公開 山梨

 きょう27日に放送最終回を迎えるNHK連続テレビ小説「花子とアン」で主人公の村岡花子の生家として造られた甲府市内のロケセットが、韮崎市に移築されることになった。移築先は、同じくロケに使われた韮崎市指定文化財「韮崎宿豪商の蔵座敷」(同市藤井町)の隣。韮崎市は10月18日にオープニングセレモニーを予定し、公開後は一帯を観光拠点として活用していく。

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 移築されるのは、ドラマの撮影のため甲府市内の民有地に造られた、わらぶき屋根の民家を再現したセット。今月で民有地の使用契約が切れるため、NHKから終了後の活用について相談を受けた県が移築先を探していたところ、韮崎市が申し出た。

 移築先の隣にある蔵座敷は、ドラマで花子の生家近くの教会として使われた。蔵座敷を敷地内に抱える韮崎市民俗資料館では、ドラマの放送開始直後から見学者が増え、4月1日~9月4日の入館者数が6264人と、昨年(340人)の20倍近くに上っている。韮崎市では一層の集客を期待し、セットを受け入れることにした。

 移設費用は約1200万円で、韮崎市と県が2分の1ずつ負担する。25日に閉会した9月定例市議会で予算が可決され、10月3日閉会の同県議会でも可決される見通し。移築後は、屋内にドラマの時代背景に沿った民俗資料館の所蔵資料を展示したり、近くに地元の特産品を販売するスペースを設けたりする予定だ。NHKが他の番組の撮影に使う計画もあるという。

 韮崎市には早くも観光会社からの問い合わせが入っている。

 韮崎市教育委員会教育課は「ドラマ効果で県外からの観光客が飛躍的に増えた。花子を通じて韮崎をもっと知ってもらう場にしたい」としている。

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