円卓会議は、隅谷調査団の主宰で、1993年9月20日から1994年10月まで12回にわたって開催されました。シンポジウムでの合意に基づき、運輸省、公団、千葉県、熱田派および周辺市町等の地域の代表が円卓を囲み、相互に対等な立場で意見を出し、空港と地域との共生の道を探りました。
1994年10月11日の第12回円卓会議で、隅谷調査団から最終所見が示され、所見の終わりを「現代の我が国が各分野で抱えるこの種の困難な問題解決のために、この地において関係者の皆さんとともに苦労した成果が良き先例として活かされることを強く希望する」と結びました。
この内容を参加者全員が了承し、円卓会議は終了しました。
[ 隅谷調査団の最終所見要旨 ]
- 平行滑走路の整備は必要であるという運輸省の方針は理解できる。ただし、その用地取得は話し合いにより行うこと。横風用滑走路の整備については、平行滑走路が完成する時点で改めて提案すること。なお、横風用滑走路計画用地をA滑走路と平行滑走路間の航空機の地上通路として整備するという運輸省の方針については、横風用滑走路とは別の問題として理解できる。
- 円卓会議で提案のあった「地球的課題の実験村」の構想については、その意義を高く評価する。国は運輸省に検討委員会を設けて、速やかに具体化のための検討を開始すること。
- 空港の建設・運営における公正を担保するための第三者機関として、共生懇談会(仮称)を設置すること。
- 騒音対策の一層の充実や成田空港周辺地域振興策の推進などについては、円卓会議の結論に従って、その実現のために努力すること。
- 円卓会議を構成するすべての構成員および関係するすべての地域社会の住民によって所見が受け入れられ、合意された事柄がすべての関係者によって尊重され実現を見ることによって、四半世紀を超える対立構造と不信感とが解消し、地域の将来の発展が図られていくことを強く期待する。