博多山笠、来夏へ「延期」　 博多松囃子も

　国連教育科学文化機関（ユネスコ）の無形文化遺産に登録されている、福岡市の夏祭り・博多祇園山笠の振興会（武田忠也会長）は20日、同市内で総会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7月に開催予定だった行事を見送ることを決めた。来年夏までの「延期」の形を取る。山笠の開催見送りは、太平洋戦争で中断し、1948年に復活して以降で初めて。

　博多祇園山笠は毎年7月1日から15日にかけて開かれ、勇壮な舁（か）き山笠と華麗な飾り山笠が福博の街を彩る。クライマックスの追い山では、舁き山笠が櫛田神社の清道を回る「櫛田入り」を披露。祭り期間の15日間で毎年約300万人（振興会発表）が訪れる。

　同振興会は今月4日に会合を開き、舁き山笠と飾り山笠の総務（最高責任者）に延期を提案。それぞれが持ち帰って検討し、20日の総会で正式に決定した。1年ごとに繰り上げている山笠の順位は据え置き、来夏の行事に反映させる。

　また、博多どんたくのパレード（5月3、4日）が中止になった後も、両日に実施する方針を打ち出していた、国の重要無形民俗文化財・博多松囃子（まつばやし）の振興会も20日、コロナ終息まで行事を延期することを正式発表した。　（手嶋秀剛）