「土俵下りない」不屈の46歳芳東 大相撲・熊本出身三段目 亡き父への感謝を胸に一度も休場なし
大相撲の一年を締めくくる九州場所は今年、4年ぶりに全15日間で「満員御礼」の垂れ幕が下がる盛況ぶりだった。そんな中、46歳の満身創痍(そうい)の体で土俵に上がり続ける力士がいた。熊本県嘉島町出身の三段目力士、芳東(よしあずま)=本名・石原洋、玉ノ井部屋。まだ垂れ幕の下がらない午前の取組に臨む芳東を支えてきたのは、2年前まで空席の目立つ客席からそっと見守ってくれた、今は亡き父への感謝の気持ちだ。20代での引退も珍しくない角界で、初土俵から一度も休場することなく土俵に立つ不屈の力士の横顔にカメラを向けた。 (写真・文 星野楽)
小学3年で母を亡くした後、父・武洋さんに男手一つで育てられた。...