JR貨物、20年度輸送量過去最低に 民営化以降で
JR貨物は14日、2020年度の貨物輸送量(速報値)が前年度比8.6%減の2699万トンだったと発表した。1987年の民営化以降では過去最低の輸送量で、新型コロナウイルスの影響を受け多くの品目で輸送量が減った。足元でも飲食店の不振などから食品などの輸送は低調が続く。
コロナ下で働き方が大きく変わり在宅勤務が増えたほか、ペーパーレス化もあいまって、品目別では紙・パルプが前年度比17.2%減少とコンテナ部門のなかで最も減少幅が大きかった。また自動車メーカーで減産が相次いだこともあり自動車部品も16.2%減った。
年度実績では民営化以降最も低かった11年度の2983万トンを下回り、足元でも飲食店の利用の落ち込みなどもあり食料工業品や農産品関連の回復は鈍い。そのなかでも巣ごもりで需要が高まる電子商取引(EC)関連の輸送は好調で、今後の宅配需要の高まりも見据え「増えていく荷物をしっかり獲得していく」(真貝康一社長)考えだ。
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