「第3次世界大戦は核戦争に」 ロシア外相が威嚇
【モスクワ=石川陽平】ロシアのラブロフ外相は2日、中東の衛星テレビ、アルジャズィーラとのインタビューで「第3次世界大戦は核(戦争)となり、破壊的なものになるだろう」と発言した。真意は不明だが、核兵器の使用をちらつかせてウクライナや米欧諸国を威嚇する狙いがあるとみられる。
ラブロフ氏はバイデン米大統領が2月26日公表のインタビュー映像で、ウクライナに侵攻したロシアに対し「2つの選択肢がある」と述べたことにコメントした。バイデン氏はロシアとの第3次世界大戦を始めるか、大規模な対ロシア制裁を発動するかのいずれかだと言及し、「深刻な代償」を払わせる制裁網の構築を急ぐ考えを示した。
ロシアのプーチン大統領は2月27日、核戦力を含む軍の核抑止部隊に任務遂行のための高度警戒態勢に移行するようショイグ国防相らに指示した。ラブロフ氏の発言と同じく、核兵器を脅しに使ったとみられている。
ラブロフ氏はまた、アルジャズィーラとのインタビューで、ウクライナへの軍事侵攻について「ウクライナの武装解除を目指している」と述べ「ロシアはウクライナが核兵器を持つことを許さない」と強調した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2月19日、ミュンヘン安全保障会議で演説し、1994年に米英ロと交わしたブダペスト覚書が機能していないことに不満を示した。同覚書はウクライナが核兵器を放棄する見返りに、米英ロがウクライナの安全を保証する内容だ。ロシアはウクライナが核保有に向かいかねないと主張している。
ロシアのグルシコ外務次官は2日、国営テレビに、北大西洋条約機構(NATO)と軍事衝突の可能性について「もちろん、可能性は発生している」と述べ、軍事対立にエスカレートするような「出来事」が起きかねないとの懸念を示した。その原因としてNATO諸国がウクライナに武器を供給していることを挙げた。
2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。