タイタニック号潜水艇の破片発見 乗員5人全員死亡か
【ニューヨーク=弓真名】米沿岸警備隊は22日、1912年に沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を見学する観光ツアーで行方不明となっていた米潜水艇「タイタン」について、海底で破片を発見したと発表した。潜水艇は「壊滅的な破壊」に見舞われ、乗船していた5人の生存は絶望的だという。
米沿岸警備隊幹部のジョン・マウガー氏は同日の記者会見で、タイタンの破片はタイタニック号の残骸から1600フィート(約488メートル)の地点で発見されたと語った。潜水艇の後ろの部分など大きな破片を5つみつけたという。深海の水圧によって壊滅的に破壊されたとみられる。
捜索活動を通じて3日以上にわたり水中での聴音を続けたが、その間に大きな爆発音のようなものは感知しなかったという。破片の回収や事故原因の分析は今後も続ける。マウガー氏は、乗組員の遺体を回収できる見通しは立っていないとコメントした。
潜水艇の運営会社オーシャン・ゲートは22日、乗組員5人が死亡したようだと明らかにした。同社は声明文で「彼らは確固たる冒険精神と世界の海洋を探検し保護することへの深い情熱を共有する真の探検家だった。この悲劇のなかで、私たちの心はこの5人の魂とその家族全員とともにある」と記した。
潜水艇にはオーシャン・ゲート創業者で最高経営責任者(CEO)のストックトン・ラッシュ氏やフランスの探査専門家ポールアンリ・ナルジョレ氏、英富豪のハミッシュ・ハーディング氏、パキスタン出身で英国籍の実業家シャーザダ・ダウード氏とその息子の計5人が乗っていたとされる。