中国雑貨店メイソウ、「日本風」を謝罪 強まる反日機運
【広州=川上尚志】中国の雑貨店大手、名創優品(メイソウ)が20日までに日本風の店づくりについて、SNS(交流サイト)上で謝罪声明を出す事態に追い込まれた。7月下旬にスペインの店舗でチャイナドレスを着た人形を「日本の芸者」と紹介したことを発端に批判が噴出した。中国では台湾問題などを背景に反日機運が高まっており、日本関連の商品や文化への風当たりも強まっている。
メイソウは2013年設立で、英語の「MINISO」やカタカナの「メイソウ」のブランド名で雑貨店を展開してきた。店舗数は中国を中心に世界の約100カ国で5千店を超える。同社については以前から、ロゴなどが「ユニクロ」や「無印良品」、「ダイソー」などの模倣だという批判が出ていた。
メイソウは謝罪声明で、海外展開を本格化した15~18年に「日本のデザイナーのブランド」と宣伝していたことが「誤った行為だった」と説明。中国の店舗では3月までにロゴを中国語に改めるなどの見直しを終えたほか、海外の店舗でも23年3月末までに店内のデザインや商品の表記を見直すとしている。
中国では習近平(シー・ジンピン)指導部が対日強硬姿勢を維持しており、ペロシ米下院議長の台湾訪問を受けて反日感情が一段と高まる兆しが出ている。
7月下旬には南京市内の寺院で南京事件に関連して戦犯として処刑された日本軍人の位牌(いはい)が奉納されていたとの告発を受け尼僧が逮捕された。
日本の夏祭りをイメージしたイベントも各地で中止に追い込まれ、8月中旬には江蘇省蘇州市で日本の浴衣を着ていた女性が警察に連行された場面とされる動画もSNS上で出回った。
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