静岡大と浜松医大、統合再編を延期 計画に反対根強く
静岡大学と浜松医科大学は29日、2021年度中に予定していた両大学の運営法人統合を延期すると発表した。新たな統合予定時期については明言しなかった。静岡大の静岡キャンパス(静岡市)を中心に反対論が根強く、統合・再編の早期実現は難しいと判断した。
両大学が19年3月に締結した合意書によると、運営法人を統合し、静岡大・浜松キャンパス(浜松市)の学部と浜松医大でつくる大学と、静岡大・静岡キャンパスの学部からなる大学の2校に再編する予定だった。22年度から予定していた新大学への入学者受け入れも延期する。
静岡大の石井潔学長と浜松医大の今野弘之学長は29日の記者会見で、延期の経緯を説明した。石井氏は「無理して当初の予定で統合するより、延期するのが賢明と判断した」と述べた。今野氏は「22年度から(新大学で)新入生を迎えられないのは残念。より良い形で再編統合が実現することを期待する」と語った。
静岡大は再編案に慎重な日詰一幸次期学長が20年10月に選出され、4月に就任する予定。静岡市と設置した協議会でも再編のあり方について議論が続いており、統合時期が不透明になった。