総務相在任時のNTTとの会食認める 野田氏ら接待は否定
自民党の野田聖子幹事長代行は11日、2017~18年の総務相在任時にNTT側の幹部らと会食したと明らかにした。「仕事の話はほとんどしていない。プライベートな会合との認識だった」と述べ、接待ではないとの見解を示した。党本部で記者団の取材に答えた。
野田氏は17年にNTTドコモ元社長の立川敬二氏、18年に当時NTT西日本社長だった村尾和俊氏と会食した。立川氏とは別に支払い、村尾氏には支払ってもらった。村尾氏との飲食費は2万6150円だと確かめ、全額を返金したと言明した。
11日発売の週刊文春は野田氏以外に高市早苗前総務相、総務副大臣だった坂井学官房副長官と寺田稔氏らが在任時にNTT側から接待を受けたなどと報じた。
坂井氏は11日、18年にNTTの篠原弘道会長と会食したと認めるコメントを出した。「総務省の業務に関する要請や要望は全くなかった」と記した。飲食代は「相手側の支払いだった。金額は聞いていない」と説明した。寺田氏も会食の事実を肯定した。
高市氏は自身のウェブサイトで総務相在任中の19年と20年にNTTの澤田純社長らと2回会食したと明かした。「いわゆる接待を受けたことは皆無だ」と記載した。
NTT側に割り勘での会食にするよう伝え、指定された会費を支払い、土産も持参したという。高市氏は日本経済新聞の取材に対し、NTTに確認したところ、実際は飲食にかかった費用と会費に差額があったため、相当分を10日に支払ったと答えた。
武田良太総務相は11日の参院予算委員会でNTT関係者との会食の有無を明言しなかった。「個別の事案ひとつひとつに答えるのは控える。疑念を招く会食に応じたことはない」と繰り返した。
大臣規範は閣僚や副大臣、政務官らの行動規律で関係業者からの供応接待などを禁じている。加藤勝信官房長官は11日の記者会見で「個々の行為が国民の疑惑を招くような行為にあたるかは各大臣が具体の事案に即し、適切に判断すべきものだ」と言及した。
公明党の北側一雄副代表は記者会見で「職務の執行に疑念を持たれないことが極めて大事だ」と述べた。「行政側の職位のある人、大臣含めてそういう疑いが指摘されるならしっかり説明責任を果たしてほしい」と明確な説明を促した。
NTTは11日「日ごろから、意見交換のために様々な方との会食は行っているが、個別の国会議員との会食については回答を差し控える」とコメントした。
野党は11日の参院予算委員会理事会でNTT側と会食した国会議員を参考人招致するよう要求した。与党は持ち帰った。
衆院では与野党の予算委筆頭理事が国会内で会談した。16日に予算委を開き、NTTの澤田社長を参考人招致すると正式に合意した。