韓国元法相、二審も実刑 懲役2年、不正入学疑惑
【ソウル=共同】韓国の文在寅前大統領の側近で、子どもの不正入学疑惑に絡み公文書偽造・同行使罪や業務妨害罪などに問われた曺国元法相(58)の控訴審でソウル高裁は8日、懲役2年、追徴金600万ウォン(約67万円)の実刑とした一審判決を支持する判決を言い渡した。
曺被告は上告する考えを示した。革新系野党「共に民主党」の支持層に高い人気を誇り、4月の総選挙を前に存在感を強める中、保守系与党「国民の力」は「判決を重く受け止めるべきだ」とけん制した。
判決によると曺被告は妻と共謀。娘と息子が入試で有利になるよう、インターンシップの証明書などの書類を偽造、提出し、大学側の業務を妨害するなどした。
高裁は「証拠隠滅や逃走の恐れはない」として、一審と同じく法廷での拘束は見送った。
曺被告は2019年に法相に就任し、捜査権縮小などの検察改革を進めたが、疑惑を受け辞任した。当時検事総長だった尹錫悦・現大統領が疑惑に切り込み、文政権と対立した経緯がある。
曺被告は、総選挙に向けた新党結成への関与が取り沙汰される。国民の力は8日「犯罪者の名誉回復のための花道を準備するものだ」と批判した。