知事会長に山田・京都知事、地方分権・広域連合に重み
全国知事会長選が26日投開票され、京都府の山田啓二知事が新会長に選ばれた。京都など7府県の広域行政組織、関西広域連合の知事らの中から知事会長が誕生。山田知事は両組織との関わりについて「同じ思いで取り組む」と抱負を述べた。今後、全国知事会と広域連合の連携といった様々な相乗効果に期待が集まっている。
選挙は47人の知事(代理を含む)が無記名で投票し、上田清司・埼玉県知事に対して、山田知事が3票差で競り勝った。近畿2府4県の知事が会長に就くのは奈良県の奥田良三知事(1976~80年)以来31年ぶりで、京都府知事では初。
関西広域連合に参加する京都府から知事会長が選出されたことで、関西広域連合の存在感や中央に対する発言力が強まるとの期待が高まる。知事会と関西広域連合は全く異なる団体とはいえ、地域のことは地域で決める地方分権を目指す点で、方向性は一致する。
広域連合長を務める井戸敏三・兵庫県知事は知事会の終了後に記者団に対し「全国知事会が国の地方出先機関の原則廃止を国に迫る際、広域連合の事例を使ってほしい」と新会長に要望した。
国の出先機関の受け入れに慎重な県もあり、これまで出先機関の権限移譲を求めることを知事会の総意として打ち出すことができなかった。井戸知事は知事会でも広域連合の手法を先進例として、国と交渉してほしいという思いを込めている。
広域連合に参加する大阪府の橋下徹知事は山田知事の知事会長としての政治力に期待する。「(知事会長は)総務相の交渉相手となるので心強い」と話した。
山田知事は知事会、関西広域連合の両組織で重要な役割を果たしてきた。知事会では地方分権推進特別委員会の委員長を務め、国、政党、中央省庁に地方分権を求めた。広域連合では国出先機関対策委員会の副委員長として、国の地方出先機関の権限の府県への移譲を訴えている。
山田知事は新会長就任直後の記者会見で「私の中では(両組織の活動は)一貫している」と明言。さらに「都道府県は自立しないといけない。しかし自立を果たすには互いに支え合わないと効果を発揮できない」との考えを強調した。