小中学生の留年、橋下市長が検討指示 教委は慎重
橋下徹大阪市長は22日、市教育委員会との意見交換会で、一定の学力水準に達していない小中学生を進級させず、留年させる制度を検討するよう市教委に指示した。市教委によると、法的には可能だが、実際の運用はこれまでないという。
矢野裕俊委員長は「フランスの小学校で厳格な留年制度を実施してきたが、近年は学習意欲をそぐなどの弊害が出ている」と指摘し、導入に慎重姿勢を示した。また、別の委員からは、学年がずれることによる児童・生徒の心理的な影響を危惧する意見が出された。
一方、橋下市長は「(理解できなくて)苦痛な授業を毎日受けている子どものことを考えると、解放してあげるべきだ。留年が当たり前になり、『ちょっと下に行ってこいよ』という風土にしていくのが新しい教育スタイル」と主張。完全な留年ではなく、学習の習熟度による一時的な補講も含め、7月をメドにしている2012年度の本格予算編成に間に合うよう、市教委に検討を求めた。