ジョージア議会選で与党が勝利宣言、野党が抗議デモ
【モスクワ=小川知世】旧ソ連ジョージア(グルジア)で10月31日に議会選(定数150)の投票があり、中央選管は1日、与党「ジョージアの夢」が48%を得票したと発表した。勝利宣言した与党に対し、野党は選挙結果を認めないと反発している。タス通信によると、野党が1日に首都トビリシで呼びかけた抗議に数千人が参加した。
旧ソ連圏では8月のベラルーシ大統領選や10月のキルギス議会選でも、選挙のやり直しを訴える抗議デモが発生した。
与党「ジョージアの夢」は親欧米を掲げつつ、2008年の武力衝突で国交を断絶したロシアとも一定の関係改善を探る。対ロ強硬派の野党「統一国民運動」を中心とする野党連合の得票率は27%だった。同党の創設者で、ジョージアで失脚し出国中のサーカシビリ元大統領は勝ったのは野党だと不正を訴えている。
選挙監視団を派遣した欧州安保協力機構(OSCE)は1日、有権者への投票圧力があったなどと問題点を指摘した。投票率は56%だった。
議会選は120議席を比例代表、30議席を小選挙区で選ぶ。今回は比例選出の割合が増え、少数派の政党が議席を得やすくなった。新型コロナウイルスの感染者が秋から急増し、経済の悪化が深刻になるなか、与党が支持をつなぎとめられるかが焦点だった。与党は単独で過半数の議席を獲得できるとみている。