カナダ議会、北米の新貿易協定を承認 コロナ拡大で急ぐ
【ニューヨーク=高橋そら】カナダ議会は13日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」の実施法案を承認した。米国とメキシコはすでに承認手続きを終えており、発効へ道筋がついた。
カナダ議会は今後数週間をかけて同法案を審議する予定だったが、新型コロナウイルスの拡大に備えて手続きを前倒しした。同国ではトルドー首相が夫人の新型コロナ感染を受けて14日間の自主隔離生活に入っており、閣僚や議員への感染拡大が懸念されている。新型コロナ対策は目先の喫緊の課題となっており、特段の障害がなかったUSMCA実施法案の承認を急いだとみられる。
カナダの総督は近く同法案を正式に承認し、批准手続きが終了する予定。
USMCAは3カ国が批准を通知して3カ月後に発効する。自動車の関税をゼロにする条件として域内の部材調達比率を段階的に厳しくするなどして米国への生産回帰を促す内容だ。自動車メーカーなど日本企業のサプライチェーン(供給網)も見直しを迫られる。