中外、第一三共とファイザーへの特許侵害訴訟を放棄
中外製薬は31日、抗がん剤「ハーセプチン」の後続品発売を予定している第一三共と米ファイザー日本法人を相手取った特許侵害訴訟で、請求を取り下げると発表した。取り下げた理由について中外製薬は「訴訟戦略上の判断」(広報)としており、詳細は明らかにしていない。
中外製薬は乳がん関連の用途特許を侵害したとして10月12日に製造販売の差し止めを東京地裁に提訴した。訴訟の取り下げにより一部が後続品に置き換わる可能性がある。
乳がんに対するハーセプチンの投与方法は2種類あり、第一三共とファイザーの後続品で可能な投与方法はそのうち1種類。ハーセプチンを使う乳がん患者全体の約1割にとどまるとされる。中外製薬は現時点で業績に及ぼす影響はないとしている。