実質業務純益赤字 長野銀18年3月期、外債運用で損失
長野銀行が10日発表した2018年3月期連結決算は、本業のもうけを示す単体の実質業務純益が7000万円の赤字だった。米国の長期金利が上昇し、運用する外国債券が値下がりした。外債の損失と資金利益の低下で収益が悪化した。
中條功頭取は記者会見で「金融機関にとって厳しい環境で我慢が続く」と話した。連結純利益は前の期に比べ16%減の18億円と3期連続で減少。株式などの売却で実質業務純益の赤字を補った。
単体の実質業務純益の内訳は貸出金利息など資金利益が7%減の124億円。貸出金は微増の5961億円だったが、総資金利ざやが0.07ポイント減の0.14%に縮小した。中條頭取は「今後も過去の貸出金との借り換えが進んで厳しい」とみる。外国債券の売却損による国債等債権売却損益は10億円の赤字を計上した。
19年3月期の連結純利益は41%減の11億円を見込む。支店の収益性が下がっているのを踏まえ、法人と個人双方に対応するフルバンク機能が必要な店舗の選定を進める。中條頭取は金融機関の再編について「営業区域が山で区切られ、他行と支店の重複が少ない長野県で再編のメリットが見当たらない」と述べた。