まるでコーヒー キリンビバ、激戦区に麦由来の飲料
キリンビバレッジは9日、大麦を原料に使うコーヒー風味の清涼飲料を7月24日に発売すると発表した。コーヒー豆は使わず、大麦を深く焙煎(ばいせん)するなどして似た香りや味わいを出した。各社が相次ぎ新商品を投入する激戦区のペットボトル入りコーヒー市場に挑む。
「世界のKitchenから」シリーズで発売する。名称は「麦のカフェ CEBADA」。同シリーズは海外の珍しい料理から着想を得て商品を開発する。今回はスペイン東部のレバンテ地方で親しまれる、麦を使ったコーヒーを参考にしたという。黒を基調としたパッケージで、希望小売価格は600ミリリットル入りで140円(税別)としている。
中身もコーヒーに近い味や香りに仕上げている。大麦を深く炒(い)る工程にはコーヒー用の焙煎機を使用し、コクと香りを引き出した。加えて、抽出したものにかんきつ系の素材を加えることで、コーヒー豆ならではの苦みなども再現している。
店頭ではペット入りコーヒーの売り場で展開する。2017年にサントリー食品インターナショナルが発売した「クラフトボス」が火付け役となり、同分野には日本コカ・コーラなど飲料大手の新商品投入が相次ぐ。「似たような商品で挑戦するより、まずは違う角度から入る」(高久直也マーケティング部長)。カフェインゼロなど麦由来の強みを前面に打ち出し、30~40代の女性をメインターゲットに据える。
高久氏は今後について「まずはブラックコーヒー的な味から入ったが、ラテなど様々な可能性がある」とさらなる商品展開にも意欲をみせた。(湯前宗太郎)