東京工業大で入試ミス 4人を追加合格、補償実施も
東京工業大は25日、3月13日に実施した第7類の後期試験で出題ミスがあり、採点をやり直した結果、4人を追加合格にしたと発表した。全員と連絡を取り、入学を希望するかどうか確認中という。希望する場合は、既に始まっている授業に対応できるよう配慮するほか、他大学に支払った授業料など、本来なら負担せずに済んだ費用の補償も実施する。
記者会見した水本哲弥副学長は「入試ミスの防止へ体制強化に努めてきたが、深く反省している。受験生やご家族をはじめ、関係者に多大なご迷惑をお掛けしたことをおわびする」と陳謝した。
東工大によると、出題ミスがあった科目は化学を中心に思考力を問う「総合問題」で、問題文中の化合物の物質量を誤記したため、4つの小問の解答に影響が出た。受験者全員、該当する小問を満点として採点をやり直した。
第7類は主に生命理工学系への進学を希望する受験生が受ける。後期試験は募集人員が35人で109人が受験。当初は39人を合格として3月20日に発表したが、今月20日、大学入試問題集を出している出版社から誤記を指摘する文書が郵送で届き、発覚した。
出題を担当する教員7人が事前に11回チェックし、問題作成に関わっていない教員も点検したが気づかなかった。東工大は「物質量を使わずに解ける方法があるため、誤記を見逃した可能性がある」と説明している。
入試ミスを巡っては、大阪大が2017年2月に実施した入試で、本来合格の30人を不合格にし、その後追加合格を出した。文部科学省は今年1月、全国の大学に防止策実施などを求める通知を出した。京大も17年の入試ミスで追加合格者を出した。〔共同〕