北広島市に米国流「ボールパーク」 日本ハム23年開業
ファイターズ新球場建設地を決定
日本ハムグループは26日、北海道で計画しているプロ野球、北海道日本ハムファイターズの新球場建設地を札幌市に隣接する北広島市に決めた。2023年の開業をめざす。事業パートナーを募り、球場周辺に商業施設を併設する米国流「ボールパーク」とする構想。球団の収益力を高めてチーム強化の資金を確保するとともに球場を核とした街づくりに取り組む。
同日の臨時取締役会で決定した。新球場を巡っては札幌市が道立真駒内公園を提案していたが、自然環境の保全などで反対意見が多く、住民の理解を得られないと判断した。建設地に決まった北広島市の「きたひろしま総合運動公園」予定地は面積が約36ヘクタールあり、ボールパークに十分な広さを確保できることも決め手になったとみられる。
新球場は札幌市が保有する現在の札幌ドームと異なり、日ハムグループが主体となって建設・運営する。天然芝で冬場に備えて開閉式ドームか透明な樹脂素材を使った屋根を想定。建設費は全体で500億~600億円を見込む。
ボールパークとして周辺にホテルや温浴施設、レストラン、公園などを置くほか、野外球場や住宅、子育て支援施設も設ける。日ハムグループは同日付で電通とともに準備会社「北海道ボールパーク」を設立、構想の具体化を進める。球団の本拠地も札幌市から北広島市に移す。
新球場は10年間で北海道に約8千億円の経済効果を与えるとの試算がある。北広島市は土地を無償貸与し、球場などの公園施設は固定資産税、都市計画税を10年間免除。商業施設などは通常通り税を徴収する。札幌中心部からのアクセス改善のため、北広島市はJR北海道に新駅の開設や列車の増便を要望、道路整備も進める方針で、北海道が支援を表明している。
自前の球場で収益をあげ、戦力強化につぎ込むのが今の球団経営の潮流だ。ソフトバンクは12年にヤフオクドームを870億円で取得、年間約50億円支払っていた使用料分などを振り向け、常勝チームを築いている。
観覧車やメリーゴーラウンドを設ける楽天、多様な席が売り物の広島なども人を呼び込む球場ビジネスを積極展開する。16年に横浜スタジアムの運営会社を買収したDeNAは昨季、観客動員数が過去最高の197万9446人を記録。野球・ソフトボールの会場となる20年東京五輪までに観客席を2割多い3万5千席に増やす計画だ。