マススタート、一斉に16周滑走 駆け引き重要
スピードスケート
スピードスケートのマススタートは、平昌五輪で初採用された新種目。個人種目ではあるが、団体戦の側面もある。チームワークやレースの駆け引きが勝負を分ける。
競技はショートトラックと似たところがある。スピードスケートの個人種目は通常、2人の選手がインコースとアウトコースに分かれ、レーンを替えながら、タイムを競うが、マススタートはレーンに関係なく大勢の選手が一斉に滑ってポイントを競う。今大会は12選手ずつ2組に分かれて1回戦を行い、各組上位8選手が決勝に進む。
男女とも16周滑る。最初の1周は急加速できず、2周目から本格的にレースが開始。4周通過ごとに上位3選手にポイント(5点、3点、1点)が与えられ、ゴール順位のポイント(1位60点、2位40点、3位20点)と合算して最終順位が決まる。先頭から1周遅れると失格となる。
大勢の選手が一斉に滑るため、スピードやペース配分に加え、風よけのために他選手の後ろについてスタミナを温存したり、飛び出しのタイミングを見極めたりと、駆け引きが重要になる。また1レースで同じ国の選手が2人出場することもあるため、昨季の世界距離別選手権銀メダルの高木菜は「チーム戦ととらえている」と話す。2人のうち1人が後続のブロック役となり、その間にもう1人が前に出るレース展開も見られる。
大勢の選手が同時に滑るため、不測の事態も起こりうる。他選手との接触や転倒を避けつつ、瞬時に勝負どころを判断できるかが大切だ。
(金子英介)