東急不動産、17年冬にも大阪・心斎橋に新商業施設
東急不動産が大阪市中心部の心斎橋筋商店街に2017年冬に商業施設を建てることが6日、分かった。3月発表の公示地価で商業地の上昇率が全国首位だった地域で、取得額は60億円前後のもよう。同社は大型複合商業施設「キューズモール」を開業するなど関西での不動産開発を強化中。訪日外国人客であふれる一等地に新施設を開業し、収益力を高める。
新商業施設は昨年3月に閉店した旧ヤマハ心斎橋店の跡地に建てる。敷地面積は約440平方メートルで16年冬に工事を開始。建てた施設を全面的に賃貸する計画が有力だ。
心斎橋筋商店街は飲食店やドラッグストアなどが軒を連ね、訪日外国人でにぎわう好立地。3月に公表した心斎橋エリアの公示地価は、過去最高を記録した東京・銀座を抑えて商業地地価上昇率で首位だった。人通りの絶えない地域の商業施設に人気テナントを呼び込んで安定的な収入を見込む。
同社は関西での不動産開発を強化している。11年に大阪市阿倍野区で「キューズモール」を開業したのを手始めに、兵庫県尼崎市や大阪府箕面市など郊外にも展開。15年には旧日生球場跡地に屋上ランニング施設を備えた複合商業施設「もりのみやキューズモールBASE」を開くなど、若年層やファミリー層の獲得を進めてきた。心斎橋という都心の開拓は「大阪に本腰を入れて向き合う意志の表れではないか」(不動産サービス大手のCBRE)との声もある。
さらに20年には大阪・中津にあった有名ホテル「ラマダホテル」跡地に地上50階建てのマンションを建てるなど、都心部に近い高層マンションにも注力している。
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