シャープ戴社長、社員に「信賞必罰の人事徹底」
給与削減は9月から手当で補填
シャープの新社長に13日付で就いた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の戴正呉副総裁は22日、シャープ社員向けにメッセージを出し、組織や人事制度を大幅に見直す考えを表明した。経営危機で一般社員で2%削減していた給与は、9月支給分から手当として補填し元に戻す。5%削減中の管理職らも成果に応じて支給する。
戴社長は「(事業ごとの)ビジネスユニット単位で収益責任を明確にする『分社化経営』を推進する」と指摘。「早期の黒字化を実現するため構造改革を進める」と強調した。メッセージでは「信賞必罰の人事を徹底する」と説明。営業成績に応じて高く処遇する制度の導入など「成果を上げた人に報いる制度」に改める一方、管理職らは降格もあり得る仕組みにする。
本社機能もスリム化し、コストを抑制。「シャープは商品企画・開発・販売に経営資源を集中し、調達・生産は鴻海グループが全面的にサポートする」とした。
戴社長は22日、堺市のシャープ本社で記者団に対し、こうした改革について「人員削減ではなく適正化だ」と語った。「人事評価委員会をつくる」と話し、人事制度を抜本的に見直すとの認識を示した。今月12日に鴻海がシャープに出資したことを受け、戴社長らシャープ幹部は21日から2日間の日程で今後の経営方針についての会議を開き、これらの改革案を協議している。