大阪・八尾空港で小型機墜落、4人死亡 着陸やり直し失敗か
26日午後4時20分ごろ、大阪府八尾市の八尾空港の滑走路脇に小型機が墜落し、乗っていた男性4人が死亡した。国土交通省などによると、小型機は神戸空港(神戸市)を離陸し、八尾空港に着陸する際、着陸をやり直そうとして墜落した可能性があるという。市街地にある同空港の周囲は住宅が密集し、住民に被害が及ぶ恐れもあった。
大阪府警は同日、業務上過失致死事件として八尾署に捜査本部を設置。4人の身元確認を急ぐとともに、事故当時の状況を調べる。運輸安全委員会も航空事故調査官2人を派遣。府警と合同で27日に現場検証を行う。
国交省や府警などによると、事故機は広島市の40代男性所有の単発小型プロペラ機ムーニーM20C型(定員4人)。機長も同じ男性で、飛行計画には「Y.NISHIMOTO」と記されていた。
26日は岡南飛行場(岡山市)を午前11時ごろ出発し、八尾空港に到着。午後2時半ごろ、同空港を離陸し約15分後に神戸空港に着いた。同4時5分ごろに神戸空港をたち、八尾空港に再度着陸しようとしていた。
その際、管制官にいったん着陸許可を受けて東から進入したが、着陸をやり直すため機首を上げようとした後、何らかの原因で失速したという。神戸空港に提出された飛行計画によると、飛行目的は試験飛行や空輸などではない「その他」と記載されていた。八尾空港を離陸後は愛知県に向かう予定だった。
府警などによると、小型機は八尾空港に2本ある滑走路のうち、東西に走るA滑走路の東端から約1100メートルの地点に墜落した。4人はいずれも成人とみられ、遺体は機内で発見された。府警は27日から司法解剖する。
機体は滑走路上で前にのめり込んだ姿勢で停止し、機首は北向きになっていたという。コックピットや左主翼が大破し炎上。胴体の後方部分も折れ曲がっていた。
八尾空港の風速は午後4時の時点で約1.5メートル。小型機の発着に支障はなく、快晴で視界も確保されていた。
同空港では2002年にヘリコプターが着陸に失敗し、乗っていた男性2人が死亡する事故などが発生している。