フジテレビ記者、暴力団関係者に車購入で名義貸しか
フジテレビの記者だった30代の男性社員が暴力団関係者に対し、乗用車を購入するのに必要な名義を貸す利益供与をした疑いのあることが19日、捜査関係者への取材で分かった。同社から報告を受けた警視庁は事実関係を慎重に調べている。
捜査関係者によると、男性社員は同社社会部に所属し、数年前まで警視庁の記者クラブで暴力団事件の取材などを担当していた。
フジテレビは同日、男性社員が取材対象者に乗用車を使わせるため、自身の名義で乗用車を購入したと発表。「相手が反社会的勢力に属する人物かは確認できていない」としている。
同社によると、社員は2014年ごろ、暴力団関係の取材の過程で知り合った「暴力団に詳しい」とされる人物から、高級飲食店で少なくとも20回の接待を受けた。その後、「一時的に車を貸してほしい」と依頼され、社員の名義で車を購入したという。
同社の聞き取りに対し、社員は「相手が暴力団組員との認識はなかった。車は本人が使うと思っており、接待を受けていたので断れなかった」と説明したという。
今年11月、同社の別の記者が取材する過程で、名義貸しなどの疑いが発覚。同社は自動車登録が事実と異なれば「犯罪に該当する可能性もある」として記者職から外し、警視庁に報告した。
同社は「取材対象者との関係が不適切だった」として社員を謹慎処分にしたが、現在は職場に復帰しているという。
同社は「当社記者の不適切な行動について、視聴者の皆様に心よりおわび申し上げます」とコメントしている。