大相撲春場所を途中休場した横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、気持ちを新たに夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)に挑む。

25日、夏場所の新番付発表があり、番付上で4場所連続の一人横綱として臨むことになった。電話取材に応じた照ノ富士は「番付発表の日になると、場所が近づいたなという感覚になる」と着々と準備を進める。

前日24日には東京・両国国技館で行われた関取衆らによる合同稽古の最終日に参加。平幕の玉鷲、阿武咲、霧馬山、十両東龍と11番取って8勝3敗。「調整ができたんじゃないかなと思います」と手応えを口にした。

3月の春場所は「右踵骨骨挫傷、左変形性膝関節症により約1カ月の加療を要する見込み」との診断書を提出し、6日目から途中休場した。「常に痛みと付き合いながらやっている。我慢できそうな痛みか、我慢できそうじゃない痛みか。みんな痛みを抱えながらやっている。苦しいですよ」。本音をのぞかせながらも、向上心は衰えることを知らない。今も「強くなってきた人たちとやりたい気持ちはずっとある」。

途中休場してからは、初めてテレビで相撲観戦に没頭した。「お客さんという感覚になると、楽しさも魅力も感じました」。

春場所で初優勝を飾った関脇若隆景(27=荒汐)の取組も見たといい「よく残った」とたたえ、優勝決定戦で惜しくも敗れ賜杯を逃した高安(32=田子ノ浦)については「若いときから一番稽古していた。まだいくらでもチャンスがあると思うので高め合っていきたい」とエールを送った。

「ずっと気を張って休みなく走り続けた」ところから、「本当に久しぶりに休場して気持ち的にリフレッシュできた」。今場所で3場所ぶり7度目の優勝を目指すが、「どの場所が特別ということはない」ときっぱり。「常に思い切ってやるだけ」と淡々とした口調で語った。