結びの一番で、優勝争いのトップを走る横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、関脇御嶽海(28=出羽海)を寄り切って単独トップの座を死守した。

立ち合いは御嶽海の出足に押され後退。左を差し、すくい投げで何とか体勢を持ち直した。左四つの体勢に組み止め、時間をかけて慎重に寄り切った。

報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、押し相撲の御嶽海を四つに組み止めながら、攻め手に欠いた新横綱の取り口に、異変を察知。「(最後は)上手を取れたから(良かったけど)ね」と勝因を挙げつつ「いつもと(相撲が)違う。腰がすわってないし、足がおぼつかない。気持ち(だけ)で取っている気がしますね」と、膝に故障を抱える新横綱の疲労を察した様子。「昨日、今日と相撲が乱れてきている」とも続けた。

初日から8連勝した盤石ぶりだったが、やはり疲れが蓄積しているのか。「やはり疲れが出ているのでしょうか」という問い掛けに「疲れとかあるかもしれないが…前半戦と違って。あと2日、気力で行くしかない」と最後の奮起を求めた。